二輪文化ブログ
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進駐軍モーターサイクルクラブ

とある方から調査依頼というか、お問い合わせをいただいたので、あれこれ資料を見ています。
その中から一冊。

ご依頼は、「亡き祖父から聞いた、自社ブランド名の由来となった外国人ライダーはいったい誰なのか」といった内容で、詳細はハッキリしないのですが、ひとまず戦後の進駐軍関係を調べてみようかと思い、この本を手に取ってみました。

この「進駐軍モーターサイクルクラブ Free Wheelin’ in the ’50s」(蔦森 樹 著:山海堂 1987)は、戦後、進駐軍として日本に駐留していたアメリカ兵の日本でのモーターサイクルクラブと、彼らに関わりのあった日本人の愛好家たちの記録とエピソードが多く紹介されています。

AJMC – All Japan Motorcycle Club

中心となるのは本のタイトルにあるように、戦後の東京・立川基地にあった米兵のモーターサイクルクラブ「AJMC(All Japan Motorcycle Club)」。

1949年(昭和24年)、多摩川スピードウェイでの「日米親善全日本モーターサイクル選手権」の開催にも協力したクラブです。

大戦からわずか数年で、遠い東洋の異国に駐留していた兵隊たちが、モーターサイクルを通じて現地(日本)の人々と交流を持っていく。

そこには間違いなく「文化」の匂いが感じられます。

また当時、AJMCと関わりのあった日本人やクラブも多く取材され紹介されています。

レース関係も、富士登山レース、浅間でのクラブマンレース、多摩川スピードウェイでのイベント等々、多くの写真とインタビュー取材による記事で、かなり資料性が高い。

浅間と多摩川でのレース

残念ながら、この本の中からはご依頼に関するヒントらしいヒントは今のところ見つかっていませんが……。


この本に興味のある方は、古本を探すのはなかなか難しいと思いますので、図書館の蔵書をあたってみるのがよいかもしれません。

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