幻のライダー伊藤史朗とヤマハ発動機創業者川上源一

伊藤史朗(サイクルワールド1984年6月号より)

「オレは日本のために、川上源一のためにやった。死んでもいいと思って、走ったんだ」

伊藤史朗(サイクルワールド1984年6月号より)

先日のフランスGPでヤマハが世界グランプリ500勝を達成。
そのはじめの一歩を記したのは、1963年ベルギーGP250ccクラスで優勝した伊藤史朗選手でした。

1963年ベルギーGPで優勝(「伊藤史朗の幻」より)

その後、とある事件をきっかけにして、追われるように、いや本人曰く「日本を蹴飛ばして」アメリカに渡った伊藤史朗。

冒頭の言葉は、その伊藤史朗さんがのちに残したもの。

川上源一さんはヤマハ発動機の創業者。
インタビュー記事の中で史朗は「川上源一だけがヤマハの中で唯一”魂”を持った人だった」と言っています。

川上源一(ヤマハ発動機創業者)

そんな二人の「魂」から始まったヤマハのグランプリ挑戦ヒストリー。

5月25日は、その川上源一さんの命日でした。

 


5月の「今日は何の日」

5月の「今日は何の日」をまとめて。

5月の「今日は何の日?」

1961年5月14日高橋国光、西ドイツGP優勝モータースポーツ関連が多くなりますが、その中でもやはり1961年5月14日の「高橋国光さんが西ドイツGPで日本人として世界GP初優勝を飾った日」というのが広く多くの方々に知っていただきたい日ではないでしょうか。

ホンダの1959年のマン島TTレース初挑戦からわずか3年目。並み居る強豪ライダーを抑えての日本人の優勝はまさに快挙です。
世界GPでの日本人ライダーの優勝記録はすべてこの時から始まったというわけです。

 

その他にも、ヤマハ発動機の創業者であり、元々の楽器のヤマハの4代目社長として音楽の普及にも尽力された川上源一さんの命日が5月25日。

そのヤマハ発動機の初期のワークスライダーとして活躍され、後に数多くのライダーを育てた野口種晴(のぐちたねはる)さんは、5月15日が誕生日で12日が命日です。

5月1日は、ホンダスピードクラブのメンバーとして、浅間火山レースやマン島をはじめとして世界選手権でも活躍した島崎貞夫さんの命日。

同じく1日は、1993年ロードレース世界グランプリGP250クラスを走っていた若井伸之選手がスペインGPの予選中の事故で亡くなった日でもあります。
(ヘレスサーキットには彼の愛称だったフラミンゴのモニュメントが今もコースを見守っています)

1975年5月4日には、ヤマハで世界グランプリを走っていた金谷秀夫さんが、オーストリアグランプリで、GP500クラスとGP350クラスでダブル優勝を達成。

詳細は、今日は何の日(5月)のそれぞれのリンク先からどうぞ。


できるだけ当日にも「今日は何の日」として、SNSでお知らせしていく予定です。

ぜひ、SNSネタ、営業ネタ、朝礼ネタ、世間話として、多くの人に伝えていただければと思います。

記念日の情報(基本的に昭和時代までの「人」に関するもの)がありましたら、メールフォームなどからご連絡いただけると助かります。


シャフト駆動に惚れ込んで「シャフトとV」伊藤正

1960年(昭和35年)のオートバイ誌4月号より。

「ライラック」を製造していた丸正自動車製造の伊藤正(いとう まさし)社長。

「オートバイに生きる(その3)」モノクロ写真6ページの特集。

…(略)…
自慢になりそで言わないが VにはVの良さがある
シャフトに シャフトの良さがある
かなしみも よろこびも マルでかこんだ 正 一文字
シャフト駆動に惚れ込んで スイもアマイもかみ分けた
シャフトに惚れて 12年 背骨に1本 つらぬいた
(伊藤 正 47才 丸正自動車製造株式会社社長)

個人的にはライラックとはまったく接点を持たないまま今日に至りますが、この時代の人のオートバイに賭ける情熱には、純粋かつ強烈な熱さを感じさせられます。

丸正自動車、伊藤正さんについては以下のサイトで。

1955年(昭和30年)第1回の浅間高原レースでは、伊藤史朗のライディングでホンダを打ち破ったライラック。
この時は、単気筒250ccのライラックSY。もちろんシャフトドライブ。

次々にオートバイメーカーが倒産していく激しい淘汰の時代。
これを機に躍進を果たしていくと思われたが…。

V型エンジンを投入したこの記事の頃にはすでに経営危機に陥っており、翌1961年(昭和36年)に倒産、和議で再建を図るも、結局昭和42年に廃業。


いつの時代も、生き残り賭けた戦いは厳しいもの。

ましてや、好きなこと、やりたいことを続けていくのは、乗り越えなければならない山は高く険しいのですね。

今でも長く愛されているライラック号。

最後にこの動画を。

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